2009年9月29日火曜日

渋谷にて;7(記録として)

*以下は、すでに終わっているトロッタ9についての報告の続きです。


トロッタ9の前日練習です。これが終われば、もう後は本番だけです。

9月26日(土)、エレクトーンシティ渋谷、リハーサルルームでの練習は12時半から。10時半、kinko'sの渋谷店に行き、『アルメイダ』の詩を印刷しました。清道洋一さんが、曲のために書いた詩を、お客様に御覧に入れるためです。kinko'sは本当によく使います。自分で経営したいくらいです。

11時、エレクトーンシティに着きました。すでにエレクトーンの大谷歩さんは来ています。ヴァイオリンの戸塚ふみ代さんから連絡が入り、名古屋駅から品川駅に着いたので、これから渋谷駅に向かうといいます。彼女が合わせに参加できるのは一日切り。厳しいことですが、そのようにして、これまでのトロッタを乗り切ってきました。


12時半から13時半。まず『アルバ/理想の海』から合わせます。大谷歩さんに、ソプラノの赤羽佐東子さん、戸塚さん、ヴァイオリンの田口薫さん、ヴィオラの仁科拓也さん、チェロの香月圭祐さん。ヴォーカルの笠原千恵美さんは、今日は別の場所でコンサート出演があり、お休みです。皆さん、さまざまな条件があります。私は、練習できるなら、できるだけしたい方です。一度一度の練習で、新たな発見がありますから。しかし、それは不安だから練習するという、気休めに過ぎないかもしれません。


13時半から14時半は「アルメイダ」です。詩唱の中川博正さん、フルートの田中千晴さん、クラリネットの藤本彩花さん、ファゴットの平昌子さん、打楽器の星華子さん、ピアノの徳田絵里子さんが加わります。オーボエの今西香菜子さんはお休みです。たくさんの人が集まり、たくさんの音が聴こえます。清道さんは、これを音楽だといいます。演劇的要素の濃い音楽です。初めて楽譜をいただいた時、私には戸惑いがありました。音楽か演劇か、どちらだろうと。それぞれの起こりは、実は一緒なのだと思います。清道さんは、芸術の原点に立とうとしているのかもしれません。それをすぐ理解してもらうのは、難しいことでしょうが。『アルバ』も『アルメイダ』も、海の詩がもとになっています。『アルメイダ』のコピーに使った写真は、瀬戸内海の風景です。『アルバ』は、私の記憶がもとになっていますから、瀬戸内海そのものを詩にしたのです。“理想の海”とは、瀬戸内海そのものです。


「アルメイダ」の終了後、アンコール曲の「めぐりあい 秋」を合わせました。私の詩ですが、宮﨑文香さんの、いい曲だと思います。全員が合奏・合唱する、終演の彩りにふさわしい曲です。いずれは、春から冬までを〈四季篇〉としてまとめ、独唱歌曲などにして独立させるつもりです。そうすると、新たな“めぐりあい”が必要になります。宮﨑さんに、また書いてもらいたいと思います。


その宮崎文香さんが現れ、皆で協力し合って、当日プログラムを作り始めました。大量の枚数をコピーして持ってきていただいたのを、二つ折りしていきます。戸塚さんは香月さんの案内で、三軒茶屋の楽器屋さんに行きます。ヴァイオリンの調子が悪いので、東京の、いいお店を探していたのだそうです。演奏者同士が情報を交換できるのは嬉しいことです。


14時半からは「ムーヴメント」を合わせます。ピアノの森川あづささんが入ります。赤羽佐東子さんが、他のメンバーをまとめてくださるので、たいへん心強く思います。練習室の外にいても、特に打楽器の迫力ある音が聴こえてきます。

そうこうしているうちに、清道洋一さんが小松史明さんに依頼して作成した、『アルメイダ』の印刷物が届きました。私がkinko'sでコピーして作ったものとは異なり、4色カラーで、私の筆になる原詩が載っています。非常に美しい仕上りです。小松さんの実力が、よく表われています。


15時半から16時半まで、今井重幸先生の『青峰悠映』を合わせます。フルートの田中千晴さん、ファゴットの平昌子さん、それに大谷歩さんが、とても熱心に練習してくださいました。今井先生は、仕事先から駆けつけることになっていましたが、遅れますという御連絡をいただいています。失礼して、私は昼食を食べに出ました。


16時半からは、今日が仕事で来られない橘川琢さんに代わり、清道洋一さんの指揮で、“シャンソン組曲”を練習します。ピアノの並木桂子さんが合流します。食事から帰ってきますと、今井先生は、すでにお見えになっていました。『ピノッキアーナ』『風はつぶやく』『哀しみの海の滄さ』を、清道洋一さんの指揮で、楽器のみ合わせました。


17時半。すでに大半の方はお帰りになりました。花の上野雄次さんを交えて、『花骸-はなむくろ-』を合わせます。戸塚さんが入るのは初めてなので、手探りの部分もありますが、とにかく、1時間、めいっぱい練習しました。すでに声と楽器だけで世界ができているので、これに何を加えるか、上野さんは悩んでいます。しかし、きっといい舞台ができるだろうと、私は確信しています。迷いが出たとしても、それは上野さんらしい迷いになるはずです。

『花骸』の後で、打楽器や譜面台などを、3Fのホール、あるいは楽屋に移動させました。もう、リハーサルルームに

来ることはありません。こうして、ひとつひとつが、本番のために、確実に終わってゆくのです。


戸塚さんを案内して池袋のフォルテに行き、19時から20時まで、バンドネオンの生水敬一朗さんと「Venus4-6」を合わせてもらいました。この後の時間帯に、橘川琢さんと合流する予定です。私はフォルテで待機です。「Venus」の合わせが終わりました。かなり難しい曲のようです。20時半ごろ、池袋駅で橘川氏と合流しました。『1997年 秋からの呼び声』の差換曲をもらいました。私と戸塚さんで演奏します。「七角星雲」「光うた」「火の山」の三篇で構成される、組曲です。3つを合わせたタイトルは、まだ考えられていませんでした。帰宅後、『宇の言葉 七角星雲・光うた・火の山』とすることを、橘川氏と相談の上で決めました。「宇」とは、空全面を覆った天のこと。これ以上はない、大きな題名にしました。詠み手として、自分で考えた題にふさわしい表現ができるかどうか。それ以上に、一夜で何ができるか。やはり、不安です。

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