2009年5月25日月曜日

詩と音楽.2 『異人の花』

「詩の通信 II」の第18号(2008.3.17)に発表しました。いよいよ今日が「詩の通信 II」の発行日だというのに、昼になっても、何も書いていませんでした。吉祥寺の街を歩いているうち、ふっと“異人の花”という言葉が浮かび、これを物語にすればいいのだと思い、すぐにファストフード店に飛び込んで、紙ナプキンの裏に書きました。「詩の通信 II」は、一年間を恋愛詩で通しました。恋愛といえば若者の話のようですが、実はそれにはあまり関心がなく、老いた女性、積み重ねた時間を持つ女性の姿にこそ、心をひかれます。『異人の花』を発表した二号前には、『初恋』という、やはり年配の女性の独白を書いています。モノオペラにならないかと、勝手に考えています。『異人の花』で語られるのは、老婆の歴史です。特別養護老人ホームにいるのですが、それは昨年亡くなった、私の祖母の姿でもあります。語り手は、私にあたる、老婆の孫。そして、橘川琢さんが作曲をするにあたり、老婆自身が語る『異人の花・独白』を書きました。橘川さんは、二篇を自由に構成して、一曲に仕上げてくださいました。

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